ベビーブームのリベラリズム

井上 しかし、もろバレですよ、私らあたりの“団塊の世代”は。
なんたって僕ら、学生運動とかあったでしょ。
で、ビートルズがあって……。
「なにかに熱中したことのある、気のいい世代ね」
ってところが……あるのよ(笑)。
糸井 それ、バレてるね。
井上 物事に熱中したことのある、気のいい世代……。
糸井 さらに言うと、
そのことを人に押し付けないし、
それがいいとも言わない……そういう世代。
井上 ……まずいよねぇ?
糸井 まずい。バレてる。
だから、井上さんは、そういう怒りが歌に出るんだ。
「そう簡単に、わからせまいぞ!」と。


~~~~~ほぼ日刊イトイ新聞 井上陽水・ゴールデンバッド対談 より。~~~~~












僕は団塊の世代の人というのが結構好きです。
団塊の世代とは、自由に敏感な世代。
また、『なんやかんやあって、やいのやいの言いたい世代』というのも適切だと思う。

自由の絶妙な不足。
目の前に自由をヒラヒラされながら、おめーは黙って言う通りにしてろ!って言われ続けること。
受験戦争が激化してるかと思えば大学に入れば学生運動があって、高度経済成長をみんな横並びで同じ顔して労働力として支え、景気の絶頂期はいい年したおっさんおばさんとして過ごし、子育て真っ最中にバブル崩壊
自分の目の前には訳知り顔で自由という言葉が飛び交っているにも関わらず、誰も自分を自由にしてはくれない。
そのことへの反発心のようなものが、この世代の人々にはあるのかなぁと思っています。

僕の父親はバリバリ団塊の世代で、おうみんな好きにしよーぜ?というかそうでないとおかしいんじゃねえの?
というような人です。いつでも100%そのスタンスを揺るがすことがない。
上の対談の井上陽水糸井重里の二人もそうですね。3つ前の記事に書いた村上春樹もこの世代です。
僕にはこの素晴らしく優れた人たちは、ある方向から見れば同じことを主張しているように見える。

別の立場をとる人もいたでしょうから、世代全体の総意と受け取っちゃならないんですが、ホリエモンの支持率が他世代を抑えトップだったのが団塊の世代、ときくと、やっぱりそうなんだろうなぁ、と思うのです。

それは誰かが不当に欺かれてるんじゃねえのか。誰かだけが損をしてるんじゃねえのか。本当は不自由なんじゃねえのか。
そういった反発力が彼らの原動力なんじゃないかなぁと思うのです。

僕も同じなんだなぁと思うのです。その世代の方々から見ればクソガキが何を言ってんだ、ということになるし全くもってその通りなんだけれど、要は『なんやかんやあって、やいのやいの言いたい』んです。一言めにはオマエバカヤロウふざけんな、ですよ。それは間違いやすいし、間違えば人を傷つけやすいのかもしれない。
僕は若くて学歴がいい割にはクールになれず、利を取れない方なんです。だってみんなもっとクールだもん。あ、そうなんだ?みたいな顔して、ササーッとやっちゃう。なんかわかんないけど僕にはそれは出来ないんですよね。困ったことに。
でもそういった精神性も、そこに含まれる変な甲斐性も、僕は好きですから、このままなんとかやっていこうかなぁと思っています。

というわけで今日はこのあたりで、月食を見て参ります。