一年。

父親から電話があった。
不動産会社から更新料を期限内に払うように連絡がきていたということだったのだが、ポロッと付け加えた一言が、「今日から北海道だ。」
そういえばもう一周忌か。

物心がついてから顔を合わせたこともほとんどなかった祖母が亡くなってから一年。
僕は多分まだ幼い子供がそうであるように、人の死が理解出来ず残された人々の様子を伺いながら、それらに対する自分の足場を探し続けている。